警報の見落としを防ぐ!異常発生時の音声発報をAmazon Connectで実現

シンク・エンジニアリング様_AmazonConnect事例

(写真右)取締役開発本部長 小林朋宏 氏
(写真左)開発本部 デベロップメント事業部 飯田剛史 氏

「命の水と生活の水を守る」全国上下水道事業体向けの監視計測制御機器及びシステムの開発製造・販売を行うシンク・エンジニアリング株式会社様。

同社でのAmazon Connectによる自動音声発報システムの開発を支援しました。

Before

  • メール警報の見落とし
  • 専用の電話設備が設置困難
  • 保守員が警報を受け取ったのか確認できない

After

  • 音声による通知機能
  • ソフトウェアのみで実現
  • 再架電・通話後の応答確認で警報の受領を確実に

クラウドシステムで音声発報するプロジェクトがスタート

貴社の事業概要と今回の開発プロジェクトの概要についてお聞かせください。

全国上下水道事業体向けの監視計測制御機器及びシステムの開発製造販売を行っております。

今回は、上下水道施設クラウド監視システムにおいて、施設異常発生時に警報を通報する仕組みとして、従来のメール以外の手段を模索しており、音声通報の実現を目指し取組みました。

夜間は警報のメールに気づかない

導入前はどんな課題があったのでしょうか?

従来のメール通報では、「水が無くなる」などの重大な異常発生時に警報通知を見落とすケースが寄せられていました。特に夜間は就寝中で警報のメールに気づかないという指摘がありました。

人員や予算の削減もあり、苦労して水道施設管理を行っておられるお客様の要望に対し、良い提案が出来ないものかと社内検討をしている中で、音声通報の有効性が挙がりました。

PBXの設置は難しい。事業継続性を考えてAmazon Connectを選択

Amazon Connectをお選びいただいた理由を教えてください。

クラウドにて運営している事から、電話通報を実行するにあたり機器のPBX設置が難しく、電話回線の確保も物理的/予算的な壁がありました。

その中で、クラウド上で電話を扱える仕組みが整っており、かつ、ストレージやプログラム実行のコンピューティング環境、ネットワークなどソフトウェア実行から通信までの全てを網羅して一括提供を行っており、信頼性や実績からAmazon Connectの利用を決定しました。

他にどんなサービスを検討されたのでしょうか?

音声専用のサービスやコールセンターのクラウドサービスなど、いろんなサービスを調査していましたが、事業継続性から断念しました。またユーザー課金の課金体系でしたので、ランニングコストもネックになりました。

安定したサービス供給などの事業継続性を考慮して、AWSのサービスを採用しました。また、料金体系が従量課金であることで、異常発生の件数と料金が連動する、という見方もできると考えています。想定するランニングコストを貴社から提示していただいたので、これなら実現できると判断しました。

弊社ではAWSの開発実績が無く、知識もあまりありませんでした。そこで、Amazon Connectの豊富な開発実績とAWSの知見を有しておられる、貴社にご相談をさせて頂きました。

自然な音声・再架電・応答確認、満足な仕上がりとなった

導入後に得られた効果・成果を教えてください。

今回はコンセプト実現のPoC開発ですが、実運用での提供が可能なレベルでの高い実装が実現できました。お客様先でのデモ提案時に、とても良い感触と当社営業より報告を受けています。読み上げ音声も機械とは思えない自然な音声で、クオリティの高さを感じました。

必須であった再架電の機能も実現できて良かったです。夜間で就寝中である場合など、1回目は警報に気づけないケースがあります。再架電機能により見落としも減らせると考えています。

電話通報での通話後の確認機能の感触はいかがでしたか?

メールでは異常発生と復帰の通知順序が保証できません。メールが届かないということもありました。その点、電話であれば着信履歴も残りますし、通話後の応答確認で確かに通知を受け取ったのか確認ができます。応答確認が実現できたことは非常に良かったです。

当初の要求仕様を十分に満たす内容に仕上がり、大変満足です。今後はお客様の声を受け、さらなる機能実装や拡張を行う計画です。

Amazon Connectの仕組みを応用し音声通報の付加価値を高めたい

今後の展開・展望がありましたら教えてください。

基本的な音声発報機能は満足できるものができました。本運用に向けた最終の調整を行い、お客様へ安定安心したサービス提供を行えるよう整備いたします。

さらに、本仕組みの応用を検討し、音声通報の付加価値を高めたいと考えております。例えば電話により現在の状態を確認するなど。現在はブラウザで警報一覧を見られますが、音声で確認できるニーズもあるのでは、と思っています。

また、過去10年分の運用データが溜まっています。このデータを活用してレコメンド機能なども実現したいという構想もあります。

今後のT-Log for Webが楽しみですね。
とても貴重なご意見ありがとうございました。

社名シンク・エンジニアリング株式会社
業種全国上下水道事業体向けの監視計測制御機器及びシステムの開発製造・販売
URLhttps://www.think-tech.co.jp/

※本記事内の数値や画像、役職などの情報はすべて取材時点のものです